【警告】この記事は古い記事です。大損こいても知らんからな。
年末年始にかけてビットコイン価格の急上昇、イーサリアム最高値更新など仮想通貨界には喜ばしい話題が多々あるが、これは仮想通貨のトレーダーだけでなくマイナーにも恩恵をもたらす。つまるところ、取引量増加による手数料収入や新規生成される通貨の価値の上昇だ。
事実、2020年夏には160~170TH/s程度だったネットワークハッシュレート(全世界における計算量の総和)は353.62TH/sと二倍以上に膨れ上がっている。
ここでは、十分な収益が得られる今のうちにどこのご家庭にもあるゲーミングPCでマイニングに参加する方法を簡単に説明する。
この記事で対象にしている人
・マイニングをしたことがない人
・ゲーミングPC等でGPUを所持している人
この記事で対象にしていない人
・これからマイニング用にGPUを買おうと思っている人
・複数枚のGPUでリグを組むようなガチ勢
・マイニング向けにOC設定を詰めるようなガチ勢
掘る
この記事では仮想通貨のマイニングとは何かについて説明を挟まない。そんなのググればいくらでも出てくる。
現在(2021.02.05)、主に採掘されている通貨はイーサリアム(Ethereum)である。ASIC耐性を持っていることに加え、他の通貨に比べてもダントツに収益が高い。
現在採掘には大きく分けて二種類の方法がある。
1つは、NiceHash Minerを利用する方法、もう1つは任意のマイニングソフトをマイニングプールに接続する方法である。
前者は導入が非常に容易である。NiceHashに登録しクライアントをダウンロード、そのまま実行すれば後は勝手に採掘をしてくれる。詳しい導入方法はここでは解説しない。
しかし、NiceHashにも弱点があり、それは収益性の低さだ。導入コストが楽な分多くの手数料を取られる。
上は現在RX 6800XTで1日採掘をした場合の報酬の期待値である。一番上にある"ETH"が後者の方法で採掘をした場合の収益額($9.7)、"NH Ethash"がNiceHashを利用した場合の収益額($8.38)であり、両者の間には$1.5ほどの開きがある。
自前のマイナーで掘る
と言うわけで、自分でマイニングソフトを導入して掘ってみる。
今回使用したのはClaymore's Dual Miner 15.0。
インストールして解凍すると何やらbatファイルが大量にあるが、その中のEthDcrMiner64.exeが本体である。
マイニングソフトが手元に用意できたところで、次にマイニングプールへ登録する。
単独で採掘を行っても膨大なネットワークハッシュレートの前には個人マイナーは無力であり、収益を得られる可能性はほぼゼロに等しい。というわけで、複数人で協力し報酬は山分けとするのがマイニングプールである。
プールは大規模なものから小規模なものまで多数あるが、個人的にBinance poolをおすすめする。
仮想通貨取引所大手Binenceの運営するプールであり信頼性が高いのに加え、採掘報酬を少額でも日割りで受け取れること、手数料ゼロで取引所のウォレットに入金し取引や送金ができることが最大のメリットである。(もちろん私は回し者ではないし、ここから登録したとしても私は一銭も得しない。)
上記のリンクから登録してもらうと、ユーザーネームを登録したと思う、これから使うので、控えておいてほしい。
さて、準備が整ったところでいよいよマイニングソフトを動かしていく。
先ほどダウンロードしたClaymore's Dual Miner 15.0の中のEthDcrMiner64.exeと同じ階層に新規でbatファイルを作成し、編集する。
以下をコピペして(改変し)、保存する。
EthDcrMiner64.exe -epool ethash.poolbinance.com:8888 -ewal [先ほど登録したユーザー名] -eworker [任意のワーカー名(思いつかなかったらhogeとかにしておく)] -epsw x -asm 2 -dbg -1 -allpools 1 -mode 1
後は、このbatファイルを実行し、以下のような画面になれば成功である。(正確には、緑文字の”Eth:Connected to~”が出たら)
後はこの状態で放置しておけば、報酬が日ごとにBinanceのウォレット内の「プールアカウント」にETHで振り込まれる。スポットウォレット(現物ウォレット)に振替をすれば、送金や取引ができる。
ちなみに、実行しているとログに出てくるEth speed:****** MH/sという箇所がこの機器でのハッシュレートだ。現在、1MH日あたり7~10円程度の収益が発生している。僕のPCでは約90MH/sが出ていて、日ごとに650円~850円相当のETHを受け取っている。
消費電力が300W程度なので、電気代が概算で220円程度としても日400~600円ほどの利益が発生している。
アンダークロック設定
このままでも採掘はできるのだが、さらに消費電力と騒音を抑えハッシュレートもわずかながら上げる手段がある。それは、GPUコアのアンダークロックである。メモリのオーバークロックでもハッシュレートを上げることができるが、自分は故障と過負荷が怖いのでやっていないため、紹介しない。
マイニングに最適な数値はNiceHashのホームページで紹介されている(もちろん、NiceHash以外での採掘でも有効である)
表中の数値に従って、MSI AfterBurner等のOCソフトで変更を加えると良い。ただしマイニング用の設定でゲームをすると高確率でハングアップするため、ゲーム用のプロファイルも保存し随時切り替えて使うのが吉だ。
資産管理
現金にするためには一定の手数料がかかる。そのため、毎日換金していては非効率だ。できるだけ溜めてから出金すべきだ。しかし、ETHは日々値動きしていて、当然下落リスクもある。そこで、USDT(テザーUSD)やBUSD(Binance USD)等のステーブルコイン(法定通貨によって裏付けされた仮想通貨)とこまめに交換して保管しておくことを推奨する。
一定額溜まったら日本円に換金としたいところだが、あいにくBinanceは日本円とのトレードを提供していない。よって、国内の仮想通貨取引所に登録し、そこにBitcoinなどの形で送金してから出金しよう。
終わりに
ここまでマイニングの手法について記したが、このレベルの報酬がいつまでも受け取れるとは限らないし、実際過去にもマイニングバブルが崩壊して大規模マイナーが打撃を食らっている。儲かっているからと安易に機材の拡張をするのはおすすめしない。ゲーミングPCの休眠期間を有効活用する、ブロックチェーンに参加してみる、程度のお遊びに抑えておいたほうがいいかもしれない。
また、ここでは言及していないが情報収集してマイニングの設定を細かく調整するのも運用の醍醐味だったりする。稼働し続けるPCを眺めるのは案外楽しい。
最後に僕の設定しているbatファイルを公開する(先ほどのbatファイルより少し調整してある)。これをコピペして実行すれば僕の手元に収益が入ってくるので、この記事でマイニングを始めた方は投げ銭代わりに数時間ほど掘ってくれると嬉しい。
EthDcrMiner64.exe -epool ethash.poolbinance.com:8888 -ewal miiverseudon -eworker hogehuga -epsw x -asm 2 -dbg -1 -allpools 1 -mode 1 -etha 0