のめゆり・倉庫

あんまり整理する気にならないタイプの物置

ペヤング獄激辛を食べてはいけない

ブログ復帰一本目がこれかよ。

 

 

www.peyoung.co.jp

 

買った。これ。

精神をやられ、自分に対してつらい思いさせたくなり衝動的に買ってしまった。基本的にアホである。もしタイムマシンが開発されていれば、1時間半前の自分に「チキンラーメンにしとけ」って言いに戻りたい。

調理する。お湯入れるをところまではいつもどおり美味しそうなペヤングだ。かやくににんにくが含まれている違いはあるが、普通のペヤングである。

本命のソース。この世のものじゃない色をしている。

たとえこの世のものであったとしても、少なくとも食品の色ではない。

先述の通り病んでいたので、当然全量ぶちまける。なんなら絞り出すまでする。

 

これが致命傷だった。

 

実食の前にまずは匂いチェックから。攻撃力のあるジャブが飛んできて、多少のめまいを覚える。

怯まず、次は舐めてみる。舌に伝わる衝撃。間違いなく、これは食べてはいけないと感じた。

恐る恐る、食べる。身構えて口に入れる。確かに舌先に伝わってくる辛味。しかし、僕はこう感じた。辛いが、ギリ行ける。そのまま噛み砕き、飲み込む。

大間違いだった。"no smoking"を「横綱禁止」と訳すぐらい大間違いだった。

確かに「辛味」は耐えられるレベルだった。が、第二段階の喉奥へ、そして口全体への強烈な「痛み」が襲ってきた。待機させておいたエナドリを飲み込む。虚しく、甘みは口全体に広がるも、全くベクトルの違う痛みには効果がなく、私は悶絶を続けるままだった。

 

私は思う。

これは「獄激辛」ではなく「獄激痛」だと。根底から間違っている。消費者センターに怒りのフリーダイヤルをしなければならないと。

どう考えてもこのレベルの痛みを発生させるものが郊外のコンビニで販売されて許されるわけがないだろうと。

これは絶対に何らかの法律に引っかかっているブツであろうと。

 

そんな思考も束の間、辛味、いや痛みは第三段階へと進行してゆく。口腔内にとどまらず、唇やその周りまで到達し、既にある口腔内の痛みも更に強化されてゆく。

慌てて冷凍庫から氷を取り出し口の中へ光の速さで突っ込んだ────その瞬間だけなら私は甲子園で投手として活躍できていたであろう────が、時既に遅し、少し楽にはなったが、瞬く間に痛みはその勢いを復活させ私を苦しませ続けた。

 

しばらく経過し、目の前には95%残った苦痛の塊。これどうすんの?

さすがにこの苦痛をもう一度味わうのは無理、しかし捨ててしまうのももったいない。

洗った。洗うのが正解だと思った。ポットに残っていたお湯で洗い、念の為少し啜って残留ソースが人体に影響のないレベルであることを確認した。

これが間違いだった。

中濃ソースとマヨネーズを取り出し、洗浄された麺にかける。なんたる二度手間。最初から通常ペヤングを買っておけばいいものを。

というわけで、食事を楽しもうとするでもなく、単に残飯処理として食べた。味は……よくなかった。

ところで、洗ったといえども辛味はまだ残留している。ただ、食べたときは「ちょっと刺激があるが、まあ問題ない」と思った。

 

後から来た。ヒーローは遅れてやってくると言うが、今日の場合はとんだ悪役である。

先程よりは幾分かマシになっている刺激だが、とんでもなく痛いことには変わりはない。痛い。痛すぎる。意識も朦朧としてきた。

慌てて氷水をぶちこむ。無駄だった。ラスボスにひのきのぼうで攻撃するくらい無駄だった。

たまたま起きてきた親に、「牛乳を飲むとマシになる」という事を教わった。牛乳は苦手なのだが、この際そんなこと言ってられない。冷蔵庫を探す。無い。目の前がまっくらになりかける。いや待て。サイドポケットに隠れていた。背の小さいやつが。助かった。気分はオアシスを見つけた砂漠のキャラバンだ。

 

飲む。うまい。うますぎる。牛乳がこんなに美味しく感じたのは初めてだ。獄激辛やきそばを食べた後の人ならば、どんな牛乳嫌いであっても諭吉を出すだろうというくらいにはうまかった。

そして、あれだけ僕を苦しめていた痛みが瞬く間に引いていった。ドン引きするぐらい引いていった。牛乳すげえ。

 

という顛末なわけだが、これは絶対に食べてはいけない。もし買ってしまった人が読者に居るならば、それは観賞用にするべきだ。食べるな。

罰ゲームにも使わないでくれ。さもなければあなたの大切な友人が一人減ることになる。そのぐらい痛い。

1時間ほど経過したが。まだ下顎の震えが収まらない。たった一口+αでこれである。完食しようものなら確実に死人が出る。やめとけ。

 

p.s.

執筆後に気づいたのだが、どうやらヤツの攻撃には継続ダメージも存在するらしい。胃が痙攣しているのか、先程からしゃっくりが止まらない。なんなら腹部にも内側から炎上している感覚がある。そして重たい。再三の忠告だが、絶対食べるな。これは食べ物ではない。劇物である。やめとけ。